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介護過程について分かりやすく解説「入門編」

介護過程について分かりやすく解説「入門編」

今回はちょっと難しい内容になるかも知れませんが、介護をしていく上でとても大切な内容です。

もし今、淡々と日々の業務をこなすだけで何か物足りないと感じている介護職の方がみえたら是非この「介護過程」を意識してみてください。

そしてこの「介護過程」を身につければ介護が楽しくなります。

楽しくなるまではいかなくても、淡々と業務をこなす日々に何かしらの変化があると思います。

介護に関する考え方や価値観は様々だと思います。

私の個人的な観点も含まれますので、賛否両論はあるかと思いますがよろしければご参考になさっていただけると幸いです。

中央法規さんの「介護福祉士養成講座9 介護過程」のテキストを参考に説明していきます。

それでは早速いきましょう!

介護過程とは

まず「介護過程」とは何ぞやというところからご説明します。

(ご存じの方はスルーしてください)

介護過程とは、

利用者の生活上の課題解決に向けて取り組むプロセスのことです。

(中央法規 介護福祉士養成講座9 介護過程より引用)

いきなり小難しい感じがしますが、がんばってついてきてくださいね。

例えば、

・食事をあまり食べられない利用者さんへの介助は全て同じ介助で良いでしょうか?

そうですね。全く同じである事はありませんね。

なぜか?

それは、利用者さんそれぞれに「食事が食べられない原因が違うから」です。

「箸が持てない」「気分が悪い」「食事前に何かおやつを食べた」「そもそもあまり食べない方」等々理由は様々です。

なので、介助をすれば食べてもらえる訳ではないです。

「どうして食べないのかな?」「どうすれば利用者さんの望み通りになるのかな?」「利用者さんが何ができて、何ができないのかな?」

とその人の状態に応じた計画的で科学的なプロセスを経て

「じゃあ、こういうケアを提供してみよう」

とういのが介護過程です。

どうでしょうか。何となく想像できたでしょうか。

(すでにわかんねーよ!という方もどうかついてきてくださいね)

介護過程のプロセスとは

プロセスとか言われると鳥肌が立つ方もみえるかもしれません。

この忙しいのにプロセスなんて気にしてられねーよ!

なんて言われるかもしれませんが、我慢して読んでください。

プロセスというと堅苦しいですが、ようは「順序」です。

先ほどの食事の例で説明します。

「食事があまり食べられない利用者さん」に対していきなり全介助で食事を提供することはしないと思います。

という事は、まず「どうして食事を食べないんだろう?」という疑問が出てきます。

その疑問を解決するためには、「直接ご本人に聞く」「ご本人の今の状態を見る」「バイタルチェックをする」「過去の記録をみる」「既往歴をみる」等すると思います。

これは「ご利用者さんの生活状態を知る」という事です。

次に、そのご利用者さんの生活状態からどんな困難や課題が今後生じるのか「生活上の課題を明確」にします。

その課題を解決するための目標を設定します。

ここまでがいわゆる「アセスメント」です。

出ました!私の大好物「アセスメント」。

アセスメント」は介護過程を展開していくうえで一番重要だと個人的には思っています。

ここが「いい加減」だとそのあとのプロセスが全て「いい加減」になってしまいます。

(「介護過程のアセスメント」に関してはこの次回以降のパートで説明していきますのでよろしければそちらも読んでください。)

アセスメントから目標の設定ができたら次は、「具体的な支援内容とその方法」を目標別に組み立てます。

これが「介護計画の立案」です。

例えばアセスメントから、

食事前に長時間離床をしていると疲労で食事時に活気がなくなり食事がすすまない

という課題が明確になったとします。(例なので簡素化して説明します)

その課題に対して具体的な支援の内容としては、

ご本人に体調を伺い食事前に居室で休んでいただき、食事開始の30分前に食堂へ案内する

という介護計画が立案されます。(本来は「長期目標」「短期目標」「頻度」「担当」等、より詳細な内容が含まれます)

そして、介護計画を介護チームで共有し、介護計画にもとづく介護実践を一定の期間、実施します。

この「介護計画をチームで共有し」というのが重要だと思います。

当たり前ですが、計画を立案したが特定の介護職だけしか実践できないような支援内容ではダメです。

「チーム全員」が実践できなければ、特定の介護職が毎日出勤してその利用者さんにケアを提供しなければならなくなります。

また、「介護」にはそれに携わる方々の様々な価値観があり、利用者さんの状態は日々変化していきます。

ゆえに、「100%正解の介護は存在しない」と私の経験上では感じています。

一人の介護職の価値観や考え方のみでは偏った支援内容になってしまいますし、「一人の人間の人生」の一部を一人の介護職が担うには責任が重いです。

そのためにも「チーム」で利用者さんの生活を支える必要があると思います。

そして最後に一定期間後に介護計画にもとづく、介護実践の成果を評価することになります。

要するに計画を立てて実践したら「やりっぱなしはダメですよ」という事です。

ご自身の担当利用者さんのアセスメントや計画の立案、作成を完成させて満足してしまうかもしれません。

(実際私も担当利用者さんの介護計画書の更新時期には残業していましたからよくわかります。)

評価の頻度は支援内容により「毎月」だったり「毎週」だったりと違いはあると思いますが、

評価をしないとその計画が本当に利用者さんに合っているのか携わる職員が全員無理なく計画内容にそってサービスが提供されているのかわかりません。

もしかすると、ある職員が

この介護計画やりにくいんだよね」と言って

その職員独自の支援を提供していたらどうなるでしょうか?

私は介護計画書は利用者さんに「このようなサービスを提供させてもらいます」という契約書と同じだと思っています。

だからといって、無理やり計画書通りのケアを提供しなくてはいけないという事ではなく、

前述したとおり、利用者さんの状態は日々変化します。

計画書を作成した時と現在が違っている方もみえます。その変化のスピードも人それぞれです。

だから「評価」しなければいけないのです。

評価とは言い換えれば「提供しているサービスの再確認」です。

計画を立てサービスを提供しっぱなしではなく「確認」しましょう。

せっかく残業してまで作成した計画書が機能していなければ悲しいですよね。

そして一番その影響を受けるのが、利用者さんです。

適切な評価をしないままだと、もしかしたらその計画内容はもう今の利用者さんには合っていないかもしれません。

まとめ

以上の一連のプロセスを「介護過程」といいます。

このプロセスは1回で終了するのではなく、利用者さんの状態の変化や環境の変化等様々な変化にともなって繰り返し行い、

利用者さんの生活課題を解決する事をめざします。

介護過程とは、行き当たりばったりのサービスではなく、プロセスを経て生活課題を解決するために取り組む課題解決の思考過程です。

介護過程の全体像

①利用者の生活状態を知る

②利用者の生活上の課題を明確にする

③介護目標の設定、支援内容・方法を組み立てる(介護計画の立案)

④介護計画にもとづく介護を実践する

⑤介護の実施の成果を評価する

この①~⑤を繰り返し行います。

 

以上が介護過程のおおまかな概要になります。

やっぱりよくわかんなーな」と思われる方、

なんか今までそこまで考えて介護してなかったなぁ」と思われた方、

感想は色々だと思います。

私にとって「介護過程」は介護をするうえで本当に基礎となる考え方、思考方法だと思います。

専門性を駆使してサービスを提供で来たら「カッコイイ!」じゃないですか!

そんなカッコつけでやっていては怒られるかもしれませんが、只々勉強するのは苦痛ですよね。

何かしらのキッカケがあってもいいんじゃないのかなぁ~と思います。

私のキッカケは「カッコつけ」です。

みなさんにはみなさんなりのキッカケを見つけてもらえばいいかなと思います。

 

今回はここまでです。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

次回は、介護過程について分かりやすく解説「意義・目的編」です。

お楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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