初めて介護のお仕事をする方へ
ようこそ介護のお仕事場へ!
そして「ありがとうございます!」(筆者はおっさんですが)
人手不足で苦労されている職種は色々あると思いますが、その中から「介護業界」に進んで頂きまずは感謝です。
介護業界も「きつい仕事」の一つかもしれません。
でも、とても「やりがいのある仕事」でもあります。
今回は初めて介護のお仕事をされる方や新人職員さん向けに、24年間の私の施設介護(特別養護老人ホーム)の経験をもとに
私なりの秘伝のテクニックや情報等をお届けします。
(ベテランの職員さんからは「そんなことわかってるわい!」と言われそうですが勘弁してくださいね)
介護に関する考え方や価値観は様々だと思います。
私は、ご利用者さん=お客様と頭に入れてます。
(申し訳ありません、「ご利用者さん」が正しいのか「ご利用者様」が正しいのかわかりませんのでここでは「ご利用者さん」で統一させていただきます)
私の個人的な観点も含まれますので、賛否両論はあるかと思いますがよろしければご参考になさっていただけると幸いです。
介護のお仕事って難しい?
答えは?
「そうとも言えるし」「そうとも言えない」
が、私なりの答えです。
「は?何言ってんの!そんな答えいらないし!もっと具体的に教えてよ!」とお怒りの声が聞こえてきそうですが。
もう少し簡潔に言いますと、
「自分がされたら嫌な事(嫌な思いをする事)はご利用者さんには提供しない」
「自分がされたら気持ちいいな、うれしいなと思う事(感じる事)をご利用者さんに提供する」
という事です。
「これなら簡単!」
しかしそこに、「介護のプロ」としての「専門性」が必要とされます。
と聞くとなんだかハードルが高く感じてしまうかもしれません。
「じゃあ、専門的な知識や資格がないとだめなの?」
と思う方もみえるかと思います。
そんな事はありません。
私もこの仕事に就いたときは何の資格も持っていませんでした。
仕事をしながら後々資格は取りました。
私が言いたいのは、要は、「根拠にもとづいたケア」を提供しましょう。
という事です。
根拠にもとづいたケアとは?
介護のお仕事は資格が特になくてもできるお仕事です。(必要な職場もあると思いますが)
ご利用者さんからすると「この職員は資格を持っている人、この職員は持っていない人」なんていう区別はありません。
だからこそ、どの職員が対応しても同じように「適切なケア」を提供しなければなりません。
この「適切なケア」こそが「根拠にもとづいたケア」に当たります。
私が新人職員さんの指導をする際に言っていることがあります。
「常に、なぜ?なぜ?という視点、観点を持ちましょう」
という事です。
例えば、①「なぜ、ここの窓際に椅子が置いてあるのか?」
②「なぜ、このご利用者さんは特殊な車椅子を使用されているのか?」
③「なぜ、スタッフ室の扉は不在の時は施錠しなければいけないのか?」
などなど、「なぜ?なぜ?」がたくさんあります。
この「なぜ?」が実は「根拠」になります。
「なぜ?」を解決すると「根拠」が見えてくる
では上記①~③の「なぜ?」を解決してみましょう。
①「なぜ、ここの窓際に椅子が置いてあるのか?」
解決例(あくまで例です):あるご利用者Aさんは時々落ち着かなくなり廊下を何往復も歩かれることがありました。歩行は安定していましたが、
何往復もされると疲れてしまい、つまずいて転びそうになりました。
そこで、窓際に椅子を置いてみたら歩き疲れるとそこに座り、しばらく窓の外の景色をみていると落ち着かれました。
青字の部分が「根拠」となります。
②「なぜ、このご利用者さんは特殊な車椅子を使用されているのか?」
解決例(あくまで例です):ご利用者Bさんは円背(腰が曲がっている)で普通型の車椅子(車椅子には色んな種類がありますがここでは説明は省きます)だと
座位姿勢が安定しません。
そのため、座位姿勢が安定するように背もたれと座面に角度がつけられる車椅子を使用してもっています。
③「なぜ、スタッフ室の扉は不在の時は施錠しなければいけないのか?」
解決例(あくまで例です):スタッフ室はご利用者さんの生活環境の中にあります。ご利用者さんからの頼まれごとや、困りごとがある場合
スタッフ室に来られる方もみえます。
ですが、スタッフがずっとスタッフ室にこもりきりではケアはできませんので、スタッフ室を離れる場合もあります。
その際に認知症の方等はそこがスタッフ室とはわからず、ご自分のお部屋と間違えて入って来られる方もみえます。
スタッフ室には様々な書類関係やパソコン等に個人情報等の機密事項があります。
それも大切なんですが、
例えば、洗剤、消毒液など誤って口に入れてしまうと危険な物も置いてある施設も多いと思います。
そのような危険が想定されるので、スタッフ室を不在にするときは施錠しましょう。
ということになります。
ほんの一例ですが「なぜ?」と「根拠」の関係性が伝わったでしょうか?
「なぜ?なぜ?」訓練で感性をみがこう!
世の中には「勘のいい人」がいます。残念ながら私は「勘のいい人」ではありません。
「勘のいい人」とは介護の現場で言い換えると
「ご利用者さんの変化に素早く気づける人」
とでも言えるのかなと思います。
そういうアンテナを元々持っている人は私からするとうらやましいです。
が、
これは訓練次第で手にすることができます。(私がそうでしたので皆さんにもできます)
それが、「なぜ?なぜ?訓練」です。(私が勝手につけたネーミングです)
常に「なぜ?なぜ?」を意識することで小さな変化に気づけるようになります。
新人職員さんは最初はご利用者さんの顔と名前も一致せず、居室の場所も、食堂の席もマニュアルを見ないとわからず、
ウロウロしているかと思います。(私もそうでした)
でも、この「なぜ?なぜ?訓練」をすることで、
「あれ?このご利用者さんいつもと何だか違うな」「こんな感じだったかな?」
と、わからないなりに気づくことができるようになります。
意識するか、しないかでアンテナ(感性)の感度が変わってきます。
新人職員さんは覚えることがいっぱいでそんな余裕なんてないかもしれませんが、
「なぜ?なぜ?訓練」
頭のかたすみにでも入れていただけたら幸いです。(24年前の私にも教えてあげたいです)
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?
今回はここまでです。
また、次回をお楽しみ!
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