ケアと作業は分けましょう
今回も※新人職員さんや介護の仕事に初めて就いた方、これから実習に行かれる学生さん等に向けての実践的なテクニック等をご紹介します。
※本文中では「新人職員さん」で統一させていただきます。
指導的立場の方も指導の際の参考にしていただけたら幸いです。
基本的な介護技術や知識等については教科書や施設にあるマニュアル等でご自分で勉強してください。
ここでは現場ですぐに使えるテクニック等をご紹介します。
介護に関する考え方や価値観は様々だと思います。
私の個人的な観点も含まれますので、賛否両論はあるかと思いますがよろしければご参考になさっていただけると幸いです。
ケアと作業の違いとは?
「ケアと作業の違い?」
「なんすかそれは?」
介護の現場で行っていることは全てご利用者さんのための「ケア」につながっていくとは思います。
明確な線引きがあるわけではないですが、私独自の考えをお伝えさせてもらいます。
私の考える「作業」とは直接ご利用者さんに行う行為、食事、排泄、入浴、移乗等、以外の行為を指します。
例えば、
コップを洗う、食堂の清掃、排泄の必要物品の補充、車椅子の清掃、シーツ交換、水分補給の準備、等々。
私はこのような行為を「作業」と考えて行っています。
なぜ「作業」かというと、何かあった時にすぐに途中で止めることができるからです。
「ケア」は行っている最中には止めることができません。
例えば、移乗介助中にナースコールが鳴っても安全にご利用者さんが車椅子(またはベッド)に移ってからでないと対応できません。
この、「ケア」と「作業」の区別をしないとどうなるか?
「作業的なケア」
になってしまいます。
作業的なケアとは?
施設介護では一日のスケジュールが決まっています。
どうしても「時間に追われてしまう」のが現状です。
その中でいかにご利用者さんに気持ちよく過ごしていただくかは介護職員として常に頭にいれておかなければいけない事だと思います。
前置きが長くなってしまいましたが、「作業的なケア」とはどういう事か?
「時間内に業務をこなさなければいけない」
という思いから、
例えば、(私が実際にやってしまった事例です。反省しています。)
トイレ介助の際に「早く立ってください!」とズボンをグイっと引っ張るとか、
入浴で浴室へご案内する時、なかなかのスピードで車いすを押したり、
と、これはもう「ケア」ではなく「作業」のようになっていました。
ご利用者さんの気持ちや状態等を置き去りにした「業務優先」のケアです。
このような「作業的なケア」をしていると、いつか大きな事故につながる危険があります。
こうならないためにも、「ケア」と「作業」は分けて考た方が良いと思います。
まとめ
「ケア」と「作業」の違いが少しは伝わったでしょうか?
では、どうすればいいのか?
それは、
「ケアはゆっくり」、「作業は手早く」です。
「ケア」の最中に焦って手早くやっても大して時間の短縮にはなりません。
ご利用者さんに不快な思いをさせてしまうだけです。
今(新人職員さん)の時期は、「基本的なケア」をしっかり身につける事が大切です。
多少業務が遅れても大丈夫です。
業務を少しでもスムーズにこなせるようになりたければ、「作業を手早く」することです。
たとえ手早く作業していてコップを落としてしまっても、また洗い直せばいいですが、
もし、ご利用者さんを移乗介助中に転倒させてしまったらどうなりますか?
今は一つ一つの「ケア」や「作業」に時間がかかると思います。
でも、どちらにも「コツ」というものが存在します。
その「コツ」を発見した時に視界が「パァ~っと」開けてきます。
それまでは、存分に「失敗」や「できね~」や「覚えれね~」を味わってください。
大丈夫!
必ず出来るようになります。
今回はここまでです。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
次回もお楽しみに!
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