食事介助について
今回も※新人職員さんや介護の仕事に初めて就いた方、これから実習に行かれる学生さん等に向けての実践的なテクニック等をご紹介します。
※本文中では「新人職員さん」で統一させていただきます。
指導的立場の方も指導の際の参考にしていただけたら幸いです。
基本的な介護技術や知識等については教科書や施設にあるマニュアル等でご自分で勉強してください。
ここでは現場ですぐに使えるテクニック等をご紹介します。
介護に関する考え方や価値観は様々だと思います。
私の個人的な観点も含まれますので、賛否両論はあるかと思いますがよろしければご参考になさっていただけると幸いです。
一人のご利用者さんに集中し過ぎてしまう
これは新人職員さんにはよくあることですね。
ご利用者さんの食事介助に集中することは大事なことですが。
「集中し過ぎてしまう」ことがあります。
特養では食事の際はご利用者さんを食堂へご案内しみなさんで食事を摂っていただくスタイルの施設が多いと思います。
ご自分で食べられる方から、一部介助の必要な方、全介助の方まで様々なご利用者さんがみえます。
全介助の方は職員がそばに座り介助をしますね。(なぜ座って介助をしなければいけないのかはご自分で調べてください)
(よかったら「なぜ?なぜ?」編もみてください。)
ここから実践的なテクニックです
さて、食事介助を始めました。
慣れない介助で一生懸命ご利用者さんに食べていただいていますね。
「なかなか口を開いてもらえないなぁ。先輩は上手くできてるのに」
「いつのみ込んだんだろう。次の一口をどのタイミングで介助すればいいんだろか」
等々色々と四苦八苦しながら介助を続けています。
が、
ちょっと待ってください。
食堂には目の前のご利用者さんだけでしょうか?
新人職員さんに起こりがちなのが、
「目の前のことに集中し過ぎてしまう」
ということです。
慣れない環境で緊張しどれだけ時間が経過したのかもわからず、ただただ目の前のご利用者さんに集中してしまう。
まあ、よくあることなのですが。(私も新人職員の頃はそうでした)
冒頭にも書きましたが、食堂には他のご利用者さんもみえるはずです。
介護業界は人手不足というのもありますが、多くの施設では限られた職員数でご利用者さんのケアにあたっていると思います。
食堂の広さにもよりますが、全てのご利用者さんの食事中の摂取状況を常に把握するのは不可能です。
そこで、ご紹介するのは(なんだかテレビショッピングみたいですが)
「たまにはキョロキョロしようぜ!」
というテクニックです。
※イラストのようにわざわざ立ち上がらなくても座ったままでよいですよ。
たまにはキョロキョロしようぜ!
別にふざけているわけではありませんよ。
これ結構大事なんです。
全てのご利用者さんの状況を把握するのは不可能ですが、一人でも多くの職員が
「キョロキョロする」=「食堂全体を見渡す意識を持つこと」
が大切だと思います。
高齢者の介護の現場では「まさか」の事態が起こる可能性が高いです。
普段はご自分で食事を食べられているご利用者さんでもいつ「まさか」の事態が起こるかわかりません。
たとえ「まさか」の事態が起こっても、一早くそれに気づき対応することで大事に至らずに済むかもしれません。
新人職員さんからすると
「そのご利用者さんにとって何が普段の様子で、何が異常な状態なのか区別がつかないよ」
と思われるかもしれませんが、キョロキョロすることで段々と、
「あれ?なんかあの方おかしいな」
というアンテナの感度が磨かれていきます。
最初はとにかく「おかしいな?」と思ったら先輩職員に聞きましょう。
そうすれば先輩職員がその方にとってその状況が「問題ない状況」なのか「調子が悪い状況」なのか
アドバイスをくれるはずです。
一人でも多くの「目」があることでご利用者さんに安全で安心した食事時間を提供できると思います。
もう一つ「キョロキョロ」の効果があります。
食事介助をしていると背の高い職員さんは特にですが、背中がだんだんと丸くなっていきます。
(背は高くないですが短足で座高の高い私もそうなります)
新人職員さんは初めのうちはどんな業務に就いてもへとへとだと思いますが、食事介助の際もへとへとだと思います。
そこで、適宜「キョロキョロ」する時に背筋を伸ばしてみてください。
そうすると身体の緊張がほぐれ、集中し過ぎの状況もリセットできます。
※イラストみたいにここまでする必要はありませんからね。
個人差はあると思いますが、一度お試しあれ。
あまりキョロキョロばかりして目の前のご利用者さんへのケアがおろそかにならないよう注意してください。
何事もバランスが大事ですからね。
今回はここまでです。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
次回もお楽しみに!
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