声かけについて
今回のテーマは「声かけ」についてです。
今回は介護の現場での経験がちょいとある方向けかもしれません。
もちろん※新人職員さんや介護の仕事に初めて就いた方、これから実習に行かれる学生さん等にも参考になるかと思います。
※本文中では「新人職員さん」で統一させていただきます。
指導的立場の方も指導の際の参考にしていただけたら幸いです。
基本的な介護技術や知識等については教科書や施設にあるマニュアル等でご自分で勉強してください。
ここでは現場ですぐに使えるテクニック等をご紹介します。
介護に関する考え方や価値観は様々だと思います。
私の個人的な観点も含まれますので、賛否両論はあるかと思いますがよろしければご参考になさっていただけると幸いです。
「ケアを提供する際は必ず声かけをしましょう」
「当たり前じゃん!」「やってますよ!」
と言うツッコミが聞こえてきましたね。
では、「声かけをしている」とは何を判断基準としているのでしょうか?
例えば
・昼食の時間なので食堂へご案内するためにベッドから車椅子へ移乗する際に、
「こんにちは。〇〇さん。そろそろお昼ご飯なので食堂へご案内しますね。では、車椅子でご案内しますのでお手伝いさせてもらってよろしいですか?」
という声かけはよくあるシチュエーションですよね。
(声かけの文言はこれが絶対正解ではないですが、だいたいこんな感じかと思います)
「はい、はい、もちろんやってますよ!」
ですよね。
では、質問です。
「その声かけはちゃんとご利用者さんに届いていますか?」
「ご利用者さんはあなたの声かけに対して何らかのリアクション(返事をしてくれた、うなずいてくれた等)をしてくれましたか?」
自己満足の声かけ
この言葉は私が作った言葉です。
以前の私は「スピード重視の業務優先職員」でした。
(これに関してはこちらをご覧ください「業務優先が招いた大失敗談」
介護職員としてご利用者さんに日々接する中で、自分の声かけに対してある時ふと疑問を抱きました。
「声かけをしてケアを行っているけど、なんだか事務的と言うか形だけのような気がするなぁ」
いくら言葉遣いが丁寧でもそれがご利用者さんに伝わっていなければ、
「単に声かけという動作をしているだけ」
になってしまいます。
以前の私はそれを勘違いして「私はちゃんと声かけをしています!」と、思っていました。
これを私は「自己満足の声かけ」と名付けました
声かけの効果
では、「声かけの効果」について考えてみましょう。
大きく分けて2つあるかなと思います。
(もっとたくさんあると思いますが私の思う大切な要素をお伝えします)
1つ目は、
当たり前ですが無言でケアをされたら誰だって嫌ですよね。
そして、ご利用者さんからすると、
「この職員さんは何のために、何しに私のところに来たんだ?」
と思うでしょうね。
まずは、ご利用者さんに
「どういう理由で」
「どんなケアをさせてもらいたいのか?」
ここはハッキリとお伝えして「同意を得てからケアを提供させていただく」のが本来の流れではないかと思います。
そのために「声かけ」を行うのではないでしょうか?
以前の私は流れ作業のような声かけでした。(反省しています)
2つ目は、
「自分のしている(しようとしている)ケアや行動を確認する」
ことです。
声かけも少なく、流れ作業のようなケアをしていると
「自分が今何をしているのか(またはしていたのか)?」
分からなくなります。
そうすると、思わぬところでご利用者さんにケガをさせてしまったり、ケガ(内出血等)を見過ごしたり、
力任せのケアで不快な思いをさせてしまったりします。
そうならないために私は
「今しているケアをいちいち声に出しながら」
行っていました。
(ご利用者さんによっては「いちいちうるさいな!」と言われるかもしれません。そうしたらちょっと控えめな声かけにしましょう。)
例えばトイレでの排泄介助の際は
「はい、ズボンを下ろしますね」「パンツを下ろしますね」「パットをはずしますね」
というように、自分が今どんなケア(動作)をしているのかを確認(自覚)しながら行っていました。
もちろん、ご利用者さんが聞き取りやすい速さと音量とイントネーションでお伝えしています。
(言葉遣いについてはこちらどうぞ、「言葉遣いについてPart①」、「言葉遣いについてPart②」)
いちいち声に出すことで、一つ一つのケアが独立し流れ作業のようなケアになりにくくなるかなと思います。
たとえ控えめな声かけであっても頭の中で「ズボンを下ろす」、「パンツを下ろす」等黙読することでも効果はあると思います。
まとめ
「声かけ」はケアを提供する際やコミュニケーション等、介護の現場では必要不可欠な行為です。
新人職員さんは初めての現場で不安や緊張で無意識のうちに「無言のケア」になっていることがあります。
多少ぎこちない敬語になってしまってもいいんです。
とにかく「声を出すこと」が大切です。
ご利用者さんによっては耳が遠い方、発語の不自由な方、会話の困難な方等言語によるコミュニケーションが難しい方もみえると思います。
そういった方はこちらの声かけに対してのリアクションがない時もあるかと思います。
しかし、そういったご利用者さんには尚更しっかりと声かけを行わなければいけません。
「ご利用者さんにしっかりと伝える気持ち」
「ご利用者さんに納得していただいたうえで、気持ちよくケアを受けていだきたいという気持ち」
があればきっとご利用者さんにも分かって頂けると思います。
今回はここまでです。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
次回もお楽しみに!
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